クレド・テクノロジー(ティッカー:$CRDO)の2026年第3四半期決算についてまとめます
今期実績
| 項目 | 予想 | 実績 | 差異 |
|---|---|---|---|
| EPS(非GAAP) | 0.96 (YoY +284.0%) | 1.07 (YoY +328.0%) | 🚀🟢 +11.5% |
| 売上 | 389.4M (YoY +188.4%) | 407.0M (YoY +201.5%) | 🟢 +4.5% |
ガイダンス
| 項目 | 予想 | 会社見通し |
|---|---|---|
| 次期EPS | 0.98 | —(未提示) |
| 次期売上 | 408.8M | 425–435M (YoY+152.9%/🟢+5.2%) |
| 通年EPS | — | —(未提示) |
| 通年売上 | — | —(未提示) |
業績ハイライト
全体サマリー:
- 売上は過去最高を更新。前年同期比で3倍超の伸び。
- 粗利率は高水準だが、次四半期はミックス/保守性を理由に低下見通し。
- キャッシュは大幅増(増資と高いフリーCF)。在庫も積み増し。
セグメント動向:
- AEC(銅)とICがともに拡大。
- 新しい成長レイヤーとして、ZF Optics(光)をFY2027から本格寄与させる絵姿を強調。
ガイダンスのポイント:
- 次期売上はさらに上積み継続。
- 一方で、粗利率レンジは低下(高水準からの揺り戻し・ミックス変化・保守的前提)。
良い点:
- 需要が「引き合い」ではなく「プル(必要に迫られた採用)」で進んでいる点を繰り返し強調。
- 供給面(ウエハ/パッケージ含む)で計画+上振れに対応できる自信。
懸念点:
- 顧客集中が依然として大きい(トップ顧客の比率が高い)。
- 次期粗利率の低下レンジが投資家心理のブレーキになり得る。
- FY2027の>50%成長は示すが、製品別の定量がまだ粗い。
質疑応答ハイライト
トピック:ZF Optics(光)立ち上げの質・規模・顧客広がり
Q(Barclays:Tom O’Malley)
- ZF Opticsの立ち上がり(FY2027 Q1に前倒し)について、AECと比べた「顧客エンゲージメント(開発〜評価〜量産)」はどう違う?
- AECのように少数大口が並ぶのか、ZF Opticsは顧客ごとの規模のばらつきが大きいのか?
A(CEO)
- ZF Opticsは約2年かけて開発を進め、社内で十分に“ハードニング”した状態で顧客認定に入っている。
- すでに生産品の出荷を開始しており、サンプル→認定→量産の流れが想定以上に進んだため前倒しできた。
- ハイパースケーラーとネオクラウドの双方で会話が進んでおり、FY2027を通じて強いランプを見込む。
分析
- 経営陣の本音:単なる試作評価ではなく「量産の入口まで来た」ことを市場に印象づけたい。
- 強気材料:前倒し(FY2027 Q1ランプ)+「生産出荷済み」を明言。
- 弱気材料:顧客別の“規模”はまだ定量化を避けており、期待先行の余地。
- 潜在リスク:光は立ち上げ局面で品質問題が出ると一気にスローダウンする(「信頼性」を売りにするほど失敗許容度が低い)。
Q(Goldman Sachs:Jim Schneider)
- FY2027末の時点で、光(ZF Opticsなど)が売上に占める比率はどれくらいを想定すべき? 15〜20%のような水準まで行くのか、それとももっと小さいのか?
A(CFO→CEO補完)
- 具体的な比率の断定は避ける。
- FY2026の着地は売上が「13億ドル超」水準を想定し、FY2027は>50%成長の枠組み。
- AECはFY2027も成長し、ZF OpticsはFY2027で“重要な構成要素”になる見立て。次四半期(新年度入り)でアップデートするとした。
分析
- 経営陣の本音:数字で縛られるのを嫌い、まずは「ZF Opticsが材料」までを確定させたい。
- 強気材料:>50%成長の枠組みの中に「ZF Opticsの寄与」を明確に組み込んでいる。
- 弱気材料:比率のガイドなし=市場は保守的に見積もり直す可能性。
- 潜在リスク:FY2027の成長内訳が見えないと、粗利率や投資負担(R&D)の正当化が難しくなる局面がある。
Q(ROTH Capital:Suji Desilva)
- FY2027にZF Opticsを“ランプさせる顧客数”の見立ては?(何社規模か)
- もう1点、OmniConnect(ギアボックス)で「同一アーキテクチャで学習と推論を扱える」と言っていたが、その機会をもう少し具体的に。
A(CEO)
- FY2027は4社超でランプする期待。現在4社が認定/評価中で、さらに追加すると見ている(ハイパースケーラーとネオクラウドを含む)。
- OmniConnectはXPU側のVSR SerDesと、用途に応じて“交換可能なギアボックス”を組み合わせる発想。
- メモリ側は世代(例:DDR→次世代)に合わせてギアボックスを差し替えることで推論側の更新に追随しやすい。
- PCIeや各種プロトコル(Ethernet/UALink/ESUN等)も、速度世代の進化に合わせギアボックス交換で対応していく構想。
- 将来は100G→200G/400Gのような世代移行でも“ギアボックスの差し替え”で拡張性を持たせたい。
分析
- 経営陣の本音:ZF Opticsは「複数社ランプ」を明言して勢いを見せ、OmniConnectは“新TAM”を語って評価レンジを上げたい。
- 強気材料:顧客数「4社超」目線は、単一顧客依存の懸念をやわらげる材料。
- 弱気材料:OmniConnectは時間軸が遠く、売上化時期(FY2028〜)が先。
- 潜在リスク:長期ロードマップ依存のストーリーは、市況悪化や技術トレンド転換でディスカウントされやすい。
トピック:AEC(銅)需要、CPO/光との競合・補完、用途(scale-out/scale-up/front-end)
Q(Stifel:Tore Svanberg)
- AECはまだ初期段階だが、CPOへの注目も高い。現状のAEC採用を押し上げているユースケースは何で、FY2027〜FY2028に向けてどう発展する?
A(CEO)
- AECが刺さるのはデータセンターネットワークの複数箇所で、特にinter-rack、そして最近は7m程度のrack-to-rackでも採用が強い。
- ドライバーは「信頼性」と「電力効率」。
分析
- 経営陣の本音:CPO議論に巻き込まれず、「今は銅が合理的」を繰り返す戦略。
- 強気材料:現実の導入距離(7mなど)を具体化しており、机上の将来技術より足元採用を強調。
- 弱気材料:CPOが本格化する局面では相対的な成長率が鈍る可能性。
- 潜在リスク:市場のテーマが「将来の光」へ傾くと、バリュエーションが揺れやすい。
Q(Bank of America:Vivek Arya)
- 売上の上振れ(約6,000万ドル超の上振れ)の要因は? 一過性要因はあった?
- もう1点:AECと光は競合か補完か。直近で光関連株が強弱に大きな差が出ている。さらに光領域への大手の投資も報じられたが、それはAEC市場が限定的という強い反証にならないか? 銅と光の競争領域/補完領域をどう見る?
A(CFO→CEO)
- 上振れは一過性というより、主要ハイパースケーラー顧客全体の強さ。トップ3顧客が揃って前四半期から伸びた。最大顧客は売上の39%、2番手32%、3番手17%(順番は四半期で入れ替わり)。
- 銅と光の基本:可能なら銅を使う(信頼性、電力効率、TCO)。
- 同社は“信頼性”を最優先に、リンクの常時テレメトリで劣化兆候を検出し、障害を未然に抑える設計思想。
- ALC(Active LED Cable)は「銅並みの信頼性」を目指す新しい光カテゴリで、まず10m、次に30mとリーチを伸ばしていく。
分析
- 経営陣の本音:売上上振れを“需要の広がり”として説明し、前倒しや駆け込み等の疑念を排除したい。
- 強気材料:顧客ごとに同時に伸びた=構造需要っぽい説明。
- 弱気材料:顧客比率の提示は、裏返すと集中リスクを再認識させる。
- 潜在リスク:市場が「将来は光」へ傾く局面で、銅の優位性(信頼性/TCO)がどこまで持続するかは検証が続く。
Q(JPMorgan:Joseph Cardoso)
- FY2027で>50%成長を見込む中、成長の内訳(AECの継続ランプ+PCIe+光+その他)の“構成”をどう見ている?
- 非AEC(PCIe、光など)がFY2027からより目立って寄与し始める年になるのか、それとも本格寄与はFY2028以降なのか?
A(CEO)
- FY2027は銅(AEC)と光の構成が変わり、特にZF Opticsのランプで光の比重が上がる。
- AECもICも成長し、新しい波がZF Optics。IC/AECの中にはPCIeビジネスも含まれる。
- FY2028はALC、そしてOmniConnectの最初のギアボックスが重なる想定で、より先のレイヤー。
分析
- 経営陣の本音:FY2027は「ZF Opticsが主役で比率が変わる」、FY2028は「ALC/OmniConnectで第二波」という二段ロケットで語りたい。
- 強気材料:年度ごとに“新製品の波”を並べて成長の連続性を演出。
- 弱気材料:PCIeなど既存/周辺の定量が薄く、ZF Opticsへの期待が相対的に膨らむ。
- 潜在リスク:ZF Opticsの立ち上げが遅れると、FY2027の構成変化シナリオが崩れやすい。
Q(Needham:Quinn Bolton)
- 市場でCPO/光の話題が多い。
- scale-up向けのBlue Heron(DSP/関連製品)の引き合い状況は?
- OmniConnectギアボックスと、将来的なALCを使ったCPOソリューションのタイミング感は?
A(CEO)
- 現状、AI関連売上の中心はscale-outで、scale-upの売上はまだない(市場自体も現時点では相対的に小さい)。
- ただしrack scale→row scaleへ広がることでscale-up市場が大きくなる可能性はあり、その文脈で会話が増えている。
- 将来のソリューションも“信頼性”と“低消費電力(レーザーCPOより低い)”を軸にしていく。
分析
- 経営陣の本音:scale-upは“将来オプション”として語る一方、足元の売上貢献はscale-outに集中している現実を隠さない。
- 強気材料:将来のrow-scale拡大を追い風としてポジショニング。
- 弱気材料:質問の核心(Blue Heronの具体的な受注/時期)は濁し気味。
- 潜在リスク:scale-up期待が先行すると、実売上が伴わない期間に評価が不安定化。
Q(TD Cowen:Sean O’Loughlin)
- 前回、4番目のハイパースケーラーがFY2026通期で売上10%超になる見通しと言っていた。今四半期は10%超が3社。4社目の進捗・見立ては?
A(要旨)
- (発言全体の趣旨として)顧客の数は3〜4社が10%超になり得るという見立てを維持し、顧客基盤の拡大を進めていく姿勢。
分析
- 経営陣の本音:集中リスクは認めつつ、「大口が複数」へ分散させる形で安心感を出したい。
- 強気材料:10%超顧客が複数いる=同一顧客の単発要因ではなく“テーマ採用”の可能性。
- 弱気材料:最大顧客比率が高い状態は続いており、分散のスピードが焦点。
- 潜在リスク:上位顧客の投資タイミングで四半期変動が大きく出る。
Q(Susquehanna:Christopher Rolland)
- AECの用途について、フロントエンド/scale-out/scale-up/従来クラウドのどこで使われている? 今後数年で用途配分はどう変わる?
A(CEO)
- 現状の強みはscale-out。ここで信頼性が“クラスターの立ち上がり速度”や“継続稼働”に直結する。
- フロントエンドはscale-outと併走して増える。
- 一部顧客ではスイッチラックや分離シャーシでも展開が見え始めた。
分析
- 経営陣の本音:最も勝っている領域(scale-out)に集中しつつ、周辺へ自然拡張している絵を描く。
- 強気材料:用途の“横展開”が始まっている示唆。
- 弱気材料:scale-upの実売上は未だゼロ。
- 潜在リスク:ネットワーク設計思想の変化(光化/新アーキ)で用途配分が想定とズレる可能性。
Q(BNP Paribas:Karl Ackerman)
- AECのAI関連売上はscale-out中心とのことだが、AECのTAM 50億ドルはフロントエンドとバックエンド(サーバNIC〜スイッチ等)でどう分かれる?
- もう1点:次期の粗利率ガイダンスが(中値で)大きく下がる理由は? 保守的なだけか、ミックス要因か、他に要因があるか?
A(CFO→CEO要旨)
- 粗利率は規模拡大で改善してきたが、拡大は常に直線的ではない。四半期ごとに製品ミックスで変動し得るため、見通しは保守的に置く。
- (TAMの分解は定量を避けつつ)scale-out中心で強く、フロントエンド等にも広がっているという説明軸。
分析
- 経営陣の本音:粗利率低下は「悪化」ではなく“通常のミックス変動+保守性”として受け止めてほしい。
- 強気材料:長期的には規模のメリットを引き続き主張。
- 弱気材料:粗利率の下振れ理由が定量的に見えないと、市場は「高粗利ピークアウト」を疑う。
- 潜在リスク:急成長局面での供給/製品ミックス変化が粗利のボラティリティを増やす。
トピック:事業領域拡張(買収)と供給制約
Q(Needham:Quinn Bolton 追加質問)
- Comira買収はレイヤ2(MAC/PCS/MACsec等)寄りに見える。既存IC強化のためか、それとも将来的にレイヤ2へ本格参入する布石か?
A(CEO)
- 2022年からIPパートナーとして協業しており、プロトコルIP/誤り訂正/セキュリティIPの強みを内製化することで、エンドツーエンドの接続ソリューションを加速する狙い。
- “上のレイヤ”に行く意図も含む。専属化によりロードマップを加速できる。
分析
- 経営陣の本音:単なる技術買いではなく「システム接続を上位層まで一体で取る」方向に評価軸を広げたい。
- 強気材料:既に協業実績があり統合リスクは相対的に小さそう。
- 弱気材料:買収は短期の売上より、中長期の“ストーリー強化”色が濃い。
- 潜在リスク:領域拡張が散漫になると、開発投資の効率が落ちる。
Q(William Blair:Sebastien Cyrus Naji)
- メモリ高騰など供給制約が話題。CRDOとして供給面のリスクはあるか? 今後の成長の“ゲート要因”になり得るものは?
A(CEO)
- ウエハ(12nm/7nm/5nm/3nm)とパッケージまで含め、前四半期から整合を取り、計画と上振れの両方を支えられる状態にある。
- 業界全体ではメモリが懸念だが、同社の領域では大きな問題は見えていない。
- 逆にOmniConnectは、HBM逼迫の痛点に対してDDR活用を広げる方向で“解決策”になり得る。
分析
- 経営陣の本音:足元の急成長を「供給が止めない」と市場に約束したい。
- 強気材料:先回りして供給整備した点を明言。
- 弱気材料:業界の“予想外のボトルネック”は突然出る(特に先端パッケージ周り)。
- 潜在リスク:需要が強いほど、供給トラブル時の機会損失が拡大。
総括
強み:
- AEC(銅)でscale-out中心に“現実の需要”を取り切っており、FY2027に向けてZF Optics(光)の新レイヤーを重ねる二段構え。
- 「信頼性」を価値の中心に置き、テレメトリ等で差別化する姿勢が一貫。
弱み:
- 顧客集中が大きく、四半期の変動要因になりやすい。
- 次期粗利率の低下レンジが、成長株としての“完璧さ”を求める市場ではノイズになり得る。
最大リスク:
- FY2027の成長ストーリーがZF Opticsの立ち上げに相対的に依存しやすく、品質/立上げ遅延が出ると期待値調整が大きくなる。
株価への影響:
- 決算は数値面で強い一方、粗利率ガイダンス低下と顧客集中が評価の上値を抑える構図。
- 直近は「ZF Opticsの前倒しが“実需の証拠”としてどこまで確信に変わるか」と、「次期の粗利率が一時的なミックスなのか」が最重要論点。

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