カーニバルクルーズ(ティッカー:$CCL)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.11 | -$0.01 | 〇 |
売上高 | $5.78B (YoY +17.7%) | $5.68B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $1.15 | $1.11 | 〇 |
ガイダンス 2024通年EPS | $1.18 | $1.02 | 〇 |
業績ハイライト
第2四半期の業績
- 全ての指標で過去最高を記録し、ガイダンスを上回った
- 収益は12%増、1人あたりのプレミアムは6%増、客室稼働率は過去の水準まで回復
- 調整後EBITDAは過去最高、ガイダンスを1億5000万ドル上回る
- 調整後EBITDAマージンは燃料価格高騰にも関わらず2019年第2四半期を上回り、15年間で最高水準
- 前年同期比で5億ドル増益、ガイダンスを1億7000万ドル上回る
需要トレンドと予約状況
- 第2四半期の予約は価格が大幅に上昇し、過去最高の予約を更新
- 通年のイールドガイダンスを0.75ポイント引き上げ、今後も中一桁台半ばの1人あたりプレミアム成長を見込む
- 2025年以降の予約が過去最高、2025年の価格と稼働率は前年を上回る水準
- 顧客預かり金は過去最高の80億ドル超、前年から11億ドル増加
ポートフォリオ管理と投資
- P&O Cruises Australiaブランドを段階的に終了し、2隻の船舶をCarnival Cruise Lineに移管
- Carnival Cruise Lineの規模を2019年比で50%拡大、全体に占める割合は29%から37%に上昇
- 新客船Queen Anne号、Sun Princess号、Carnival Venezia号の命名式を実施
2026年目標への進捗
- 2024年のガイダンス引き上げにより、2026年目標の2/3を1年で達成
- 残り2年でイールドターゲットの達成に自信
質疑応答ハイライト
ROICについて
- Celebration Keyへの投資は中〜高い10%台後半のリターンを期待
- 高級リバークルーズ事業については、過去に検討したことがあるが、規模が小さいためフォーカスしていない
2025年の予約状況と価格設定力
- 全ブランド、全市場で力強い勢い
- 収容能力の伸びがほとんどないことから、2025年の価格設定力は強い
配当再開の可能性
- 現在の優先事項はフリーキャッシュフローの創出、債務削減、バランスシートの強化
- 配当再開の議論は時期尚早
ギリシャの寄港地規制の影響
- 一部の島では以前から上限が設定されており、現地と協力して対応
- 全体における割合は小さく、大きな混乱は予想されない
同一船舶ベースのイールド改善
- 価格と客室稼働率がほぼ半々で寄与
北米とヨーロッパの今後の1人あたりプレミアムの見通し
- 両地域とも価格上昇を期待
- ヨーロッパは客室稼働率の回復と大幅な1人あたりプレミアム改善を達成
- 北米は回復が早く、中一桁台半ばの価格上昇を維持
予約カーブの最適化
- 全体としての予約カーブ長期化が目的ではなく、ship by shipで最適化が重要
ROICが改善しているブランド
- Costa、Princess、Holland Americaの全ブランドで前年比大幅改善
- いずれも12% ROICには至っていないが、その可能性はある
顧客層の変化
- 社会のデジタル化に伴い、全ての世代で顧客との関わり方が変化
- ブランドによって平均年齢は若干の変動があるが、大きな変化ではない
- 幅広い世代の顧客を取り込むことが重要
パフォーマンスマーケティングについて
- 新しい取り組みではなく、適切なリソース、ケイパビリティ、アプローチにさらに注力
- 各ブランドが異なる市場、セグメントにアプローチする必要があるため、各運営ユニットがそれぞれのブランドに合わせて最適化
コスト削減と需要創出への投資のバランス
- 相互に排他的である必要はない
- オンボード体験の充実、通信帯域への投資など、収益性の高い分野に投資
- 一方で、引き続きコストリーダーであり続けることが重要
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