キャタピラー(ティッカー:$CAT)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $5.17 | $5.35 | × |
売上高 | $16.1B (YoY -4.2%) | $16.24B | × |
業績ハイライト
売上・利益
- 売上高は前年同期比4%減の161億ドル
- 調整後営業利益率は20.0%(前年同期比80ベーシスポイント低下)
- 調整後EPSは5.17ドル(前年同期の5.52ドルから減少)
- ME&T事業のフリーキャッシュフローは27億ドル
セグメント別業績
- 建設機械:売上高9%減の63億ドル、利益20%減の15億ドル
- 資源産業:売上高10%減の30億ドル、利益15%減の6.19億ドル
- エネルギー・輸送:売上高5%増の72億ドル、利益21%増の14億ドル
- 金融サービス:収益6%増の約10億ドル、利益21%増の2.46億ドル
通期見通し
- 売上高は従来予想を若干下回る見込み
- 調整後営業利益率は目標レンジの上限を上回る見通しを維持
- ME&Tフリーキャッシュフローは目標レンジ(50-100億ドル)の上限に近づく見通し
質疑応答ハイライト
利益率の持続可能性について
- 主要な指標は絶対的なOPACC(営業利益から資本コストを差し引いた額)の増加
- 各市場での競争力維持が重要
- 異なる市場・セグメントで競争状況は大きく異なる
資源産業セグメントの見通し
- 減少は主に関節式ダンプトラックと大型オフハイウェイトラックの2製品が影響
- 長期的には鉱業向け見通しは強気
- エネルギー転換に必要な銅などの需要増加が追い風
- 大型鉱山トラックの引き合いと受注は活発
建設機械の競争環境
- レンタル機器の導入ペース低下が影響
- ただしディーラーのレンタル収益は増加継続
- インフラ投資法(IIJA)の資金の27%しか使用されておらず、今後も需要は健全
- 円安など為替変動による競争環境の変化はあるが、技術投資やデジタル化で競争力維持
エネルギー・輸送部門の設備投資計画
- 2023年比で大型エンジンの生産能力を125%以上に増強予定
- データセンター向けバックアップ電源が主な需要増加要因
- 分散型発電システムの需要も期待
- 投資期間は4年間で段階的に能力増強
パワージェネレーション事業の成長
- 第3四半期は前年比26%成長(第2四半期は15%成長)
- 石油・ガス用エンジンの余剰能力を発電用に転用可能
- Solar Turbines社の発電事業も成長
- 既存施設の生産性向上にも注力
中国市場のポジション
- 現在は連結売上高の5%未満で推移
- 主に10トン超の油圧ショベル市場に注力
- 製造施設やサプライチェーン、ディーラー網は整備済み
- 市場は依然として低迷、景気刺激策の効果はまだ見られず
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