CANSLIM投資戦略は、ウィリアム・オニールによって開発された、成長株を見極めるための一連の原則です。この戦略は、特定の基準を満たす企業に早期から投資し、市場平均を上回るリターンを目指します。今回はその要点をまとめます。
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CANSLIM
CANSLIMの各文字は、投資判断を行う際に考慮すべき特定の要素の頭文字を表しています。以下にそれぞれの要素の一部をまとめます。
C: Current Quarterly Earnings(当期四半期EPSと売上高)
直近四半期の利益が前年同期比で大幅に増加している企業かどうかに注目します。
- 四半期EPS(1株当たりの利益)成長率が18~20%以上
- 四半期売上高成長率が25%以上
- EPS、売上高ともに加速度的に成長
A: Annual Earnings Increases(年間収益の増加)
年間利益成長率が高い企業かどうかに注目します。
- 過去3年間の利益成長率が25%以上
- ROE(株主資本利益率)は最低17%以上(理想は20~50%以上)
N: New Products, New Management, New Highs(新製品、新経営陣、新高値)
新製品、新経営陣、株価の新高値など、株価を押し上げる新しい動きがあるかどうかに注目します。
- 新製品、新経営陣など企業内変化がある
- 株価が健全なベース形成期間を経た後に新高値にブレイクアウト
S: Supply and Demand(供給と需要)
株式の供給と需要のバランスが、株価上昇を支持する形になっているかどうかに注目します。
- 発行済株式数が少ない(中小型株は下落速度も速いので注意)
- 自社株買いを行っている
- 過度の株式分割は供給過剰を引き起こす
- 負債比率が高い企業はハイリスク
L: Leader or Laggard(主導株価、出遅れ株か)
市場内でのリーダー株(業界内で最も強いパフォーマンスを示している株)かどうか注目します。
- 特定業界の上位1~3位に位置している
- レラティブストレングス(RS)が80%以上
- 弱気相場の後に最初に新高値を付ける
- 弱気相場の局面で異常な下落耐性を示す
I: Institutional Sponsorship(機関投資家による保有)
機関投資家による強力なサポートがあるかどうかに注目します。
- 機関投資家の保有数が増加傾向
- 幅広い機関投資家による過剰保有は大規模売りのリスク
- 経営陣が自社株を保有している
M: Market Direction(相場の方向性)
市場全体の動向が、投資戦略をサポートする方向にあるかどうかに注目します。
- 市場が強気相場である
- 政策金利が引き締め方向ではない
- 4,5週間以内のディストリビューション(株価上昇を伴わない出来高増加日)が4,5日以上ある場合は機関投資家による売り抜けが起きている可能性がある
- リーダー銘柄にクライマックストップの兆候がある場合は市場の天井の可能性がある
- リーダー銘柄がつまずき、ボロ株が上昇し始めた場合は弱気相場移行のシグナル
まとめ
CANSLIMは、成長株投資において成長株投資法においてコアとなるファンダメンタル分析ですが、実際のエントリーに当たっては、テクニカル分析(カップウィズハンドル)と合わせて検討することが重要です。大きなリターンを得るためには両方の視点が不可欠となりますので、しっかり学習しましょう。
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