ブロードコム(ティッカー:$AVGO)の2025年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $1.95 | $1.87 | 〇 |
| 売上高 | $18.02B (YoY +28%) | $17.47B | 〇 |
| ガイダンス 2026Q1売上高 | $19.1B | $18.48B | 〇 |
業績ハイライト
通期業績(FY2025)
| 項目 | 数値 | 前年比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $63.9B | +24% | AI半導体およびVMwareが主な牽引役 |
| 半導体セグメント売上高 | $36.9B | +22% | AI関連の需要が急増 |
| インフラソフトウェア売上高 | $27B | +26% | VMware Cloud Foundation(VCF)の好調な採用 |
| 調整後EBITDA | $43B | 67%のEBITDAマージン | 高い収益性を維持 |
| フリーキャッシュフロー | $26.9B | +39% | |
| 株主還元 | $17.5B | 内訳:配当$11.1B、自社株買い$6.4B | |
| 配当増額 | $2.60/年 | +10% | 15年連続増配を継続 |
第4四半期業績(Q4 FY2025)
| 項目 | 数値 | 前年比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $18.0B | +28% | ガイダンス超過、AIおよびソフトウェアが好調 |
| 調整後EBITDA | $12.2B | +34% | EBITDAマージンは68% |
| 営業利益 | $11.9B | +35% | 営業マージン66.2%(前四半期比+70bps) |
| 粗利益率 | 77.9% | – | ソフトウェア比率増と製品構成で改善 |
| フリーキャッシュフロー | $7.5B | 41%のFCFマージン | |
| キャッシュ残高 | $16.2B | 前四半期比+$5.5B |
セグメント別業績(Q4 FY2025)
半導体ソリューション
| 項目 | 数値 | 前年比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $11.1B | +35% | AI半導体が$6.5B(+74%) |
| 粗利益率 | 約68% | – | HBM等の原価が影響 |
| 営業費用 | $1.1B | +16% | AI関連のR&D増加 |
| 営業利益率 | 59% | +250bps |
- AI関連の売上が全体の**61%**を占める。
- AI向け受注残は**$73B**(XPUs、スイッチ、DSP、レーザー等)、全体受注残$162Bの45%。
- 第5のXPU顧客から$1Bの受注(2026年後半出荷予定)。
インフラソフトウェア
| 項目 | 数値 | 前年比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $6.9B | +19% | ガイダンス$6.7Bを上回る |
| 粗利益率 | 93% | 前年比+200bps | VMware統合完了による利益改善 |
| 営業費用 | $1.1B | – | |
| 営業利益率 | 78% | 前年比+600bps | 成長性・収益性ともに高水準 |
- Q4の契約総額は$10.4B(前年$8.2B)、受注残は$73B(前年$49B)。
- FY2026は2桁前半の成長見通し。
FY2026 第1四半期ガイダンス
| 項目 | ガイダンス | 前年比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 総売上高 | $19.1B | +28% | AIとソフトウェアが成長牽引 |
| 半導体売上高 | $12.3B | +50% | うちAIが$8.2B(+100%) |
| ソフトウェア売上高 | $6.8B | +2% | VMware中心に成長維持 |
| 調整後EBITDAマージン | 約67% | – | |
| 粗利益率 | 前期比▲100bps | AI比率増による構成変化 | |
| 非GAAP税率 | 約16.5% | +250bps | グローバルミニマム課税の影響 |
質疑応答ハイライト
AI受注残 Bの意味と成長期待
Q(BofA): $73BのAIバックログはFY2026でのAI売上が$50B以上になるという理解で正しいか?
A(Hock Tan): 正確には「現時点で18ヶ月内に出荷予定の受注残が$73B」。さらに追加注文が今後も入ってくる見通し。売上としての着地はさらに増える可能性が高い。
ASICからTPUへの代替懸念
Q(Deutsche Bank): GoogleのようにTPUを他社に展開する流れは、BroadcomのASICシェアを侵食する懸念があるか?
A(Hock Tan): TPUはGPUの代替として市場を広げるが、カスタムAIアクセラレータ(XPU)を自社開発する企業も多く、根本的に異なる戦略。ASIC需要の構造は崩れない。
需要に対する供給体制とパッケージング
Q(JPMorgan): 18ヶ月$73Bの需要に対応できる供給体制はあるか? シンガポールの先端パッケージ拠点の狙いは?
A(Hock Tan): 需要に対応するため、先端パッケージの一部を内製化。TSMCからの3nm、2nmの供給は現時点で問題なし。
システム販売(ラック)の構成と影響
Q(Jefferies): $10Bの受注はラック単位での販売か? Broadcomのネットワークコンポーネントも含む?
A(Hock Tan): 完全なシステム販売。XPUだけでなくスイッチ、DSP、光部品などを含む。顧客に対し一貫したソリューション提供。
AI比率増による粗利益率の低下懸念
Q(Bernstein): AIシステム販売の拡大により粗利益率がどの程度下がるか? 営業利益率への影響は?
A(Hock Tan / Spears): AIは粗利率が低いが、営業利益率はオペレーティングレバレッジで維持可能。粗利率は徐々に低下するが、ドルベース利益は拡大。
FY2026通期のAI成長率見通し
Q(Goldman Sachs): Q1でAI売上+100%成長だが、通期でも加速傾向が続くのか?
A(Hock Tan): 現時点では加速的な成長トレンド。$73Bの受注残はさらに積み上がる見込み。通期の具体的なガイダンスは今後四半期ごとに開示。
第5の顧客とOpenAIとの関係
Q(複数): 第5顧客の$1B受注はOpenAIか?契約は拘束力あるものか?
A(Hock Tan): 顧客名は明言せず。OpenAIとの10GW契約は2027〜2029年の整備計画であり、2026年の売上貢献は限定的。
カスタムアクセラレータの多様化
Q(Cantor): BroadcomのXPUは今後も世代ごとにコンテンツが増加するか?
A(Hock Tan): 顧客は推論用・トレーニング用など用途別に複数のXPUチップを開発しており、バリエーションは今後も増加。
フォトニクス技術と今後の展開
Q(Piper Sandler): フォトニクス技術(例:シリコンフォトニクス)の将来性は?
A(Hock Tan): 現時点では銅やプラガブル光学が優位だが、将来的にフォトニクスが必須になる可能性はあり、開発は継続中。
サプライチェーンのボトルネックと課題
Q(BNP Paribas): 複数のAI製品を展開する中での供給課題は?どの部材が制約になり得るか?
A(Hock Tan): 自社で多くのコンポーネントを供給しており、ボトルネックの把握が可能。2026年までの供給体制には自信あり。
非AI半導体の見通し
Q(Susquehanna / Morgan Stanley): 非AIセグメントの見通しは依然として弱いか?
A(Hock Tan): ブロードバンドは回復傾向だが、それ以外は横ばい〜軟調。AI関連投資が他分野の支出を圧迫している可能性。

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