ASML(ティッカー:$ASML)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | €4.01 | €3.71 | 〇 |
売上高 | €6.24B (YoY -10%) | €6.01B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | €7.00B (€6.7B~€7.3B) | €7.58B | × |
業績ハイライト
2024年第2四半期の主な業績
- 総純売上高は62億ユーロで、ガイダンスをやや上回った
- 純システム売上高は48億ユーロ(EUV 15億ユーロ、非EUV 33億ユーロ)
- インストールベース管理売上高は14.8億ユーロ
- 粗利益率は51.5%でガイダンスを上回った
- 純利益は16億ユーロ(売上高の25.3%)、EPSは4.01ユーロ
受注と見通し
- 第2四半期の純システム受注は56億ユーロ(EUV 25億ユーロ、非EUV 31億ユーロ)
- 第2四半期末の受注残は約390億ユーロ
- 2024年通期の見通しは変わらず、前年並みの売上高を予想
- 2025年は強い年になると予想、業界の回復とAI需要が主な要因
その他のポイント
- 高NA EUVの2台目を出荷、顧客サイトでの設置が進行中
- 2024年は移行期と位置付け、将来の需要に備えた投資を継続
- 中国向け事業については、成熟半導体市場全体の機会を重視する姿勢を強調
質疑応答ハイライト
EUV受注と2025年の見通しについて
- 第2四半期のEUV受注25億ユーロには2nm向けファウンドリ注文が含まれる
- 高NA EUVの注文は含まれていない
- 2025年の売上高見通しは300億-400億ユーロの範囲を維持
- 11月の投資家向け説明会でより具体的な2025年の見通しを示す予定
中国ビジネスに関する質問
- 米国の部品や技術に関する制限はあるが、顧客の工場でのサービス提供は継続
- 地理的な生産場所よりも、半導体ウェハーの世界的な需要を重視する姿勢を強調
- 中国向け事業の規制に関する噂については言及を控える姿勢
高NA EUVの進捗状況
- 顧客が共同ラボで高NA EUVを使用し、初期開発を進めている
- 8nmの解像度仕様を達成、低NA比で約3倍のトランジスタ密度向上を実現
- 顧客からのフィードバックは良好で、データ生成が技術評価に大きく貢献
2024年後半の売上見通し
- 第4四半期に向けて売上高の加速を予想
- 繰延収益の認識(約10億ユーロ)が後半の売上を押し上げる要因に
- 2025年の成長に向けたモメンタムが徐々に構築されている
3800E(新型EUV装置)の状況
- 2024年後半のEUV出荷の過半数が3800Eになる見込み
- 性能面での進捗は良好で、技術的な懸念はない
- 顧客での認定プロセスが進行中、今後数ヶ月で成熟度を高める
リソグラフィの将来性について
- スケーリングのペースは鈍化しているが、トランジスタ密度向上の需要は衰えていない
- シュリンクの価値はむしろ高まっており、コスト削減の最良の手段
- 11月の投資家向け説明会で、密度向上を支援する新たな方法についても説明予定
コメント