アーム(ティッカー:$ARM)の2026年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.39 | $0.33 | 〇 |
| 売上高 | $1.14B (YoY +35.1%) | $1.06B | 〇 |
| ガイダンス 2026Q3EPS | $0.41 ($0.37~$0.45) | $0.35 | 〇 |
| ガイダンス 2026Q3売上高 | $1.225B ($1.175B~$1.275B) | $1.11B | 〇 |
📊 業績ハイライト
📈 四半期業績サマリー
| 指標 | 実績値 | 前年同期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 総売上高 | $1.14B | +34% | 過去最高のQ2売上 |
| ロイヤリティ売上高 | $620M | +21% | 主要市場すべてで成長 |
| ライセンス売上高 | $515M | +56% | 高付加価値契約の増加 |
| 非GAAP営業利益 | $467M | +43% | 営業利益率は41.1%に改善 |
| 非GAAP EPS | $0.39 | ガイダンス上限超え | ガイダンスより$0.06上振れ |
| ACV(年換算契約価値) | 非開示 | +28% | Q1に続き2四半期連続で+28% |
| 非GAAP営業費用 | $648M | +31% | R&D投資が主因 |
🔮 業績見通し(ガイダンス:2026年度Q3)
| 指標 | ガイダンス | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | $1.225B ± $50M | 約 +25% |
| ロイヤリティ成長率 | 約 +20%超 | |
| ライセンス成長率 | +25%~30% | |
| 非GAAP営業費用 | 約 $720M | |
| 非GAAP EPS | $0.41 ± $0.04 |
🚀 注目の事業トピック
✅ データセンター
- Neoverseロイヤリティ:前年比2倍に成長
- Google Axion、AWS Graviton、Microsoft Cobaltなど、主要クラウドプレイヤーがArmベースに移行
- Stargate関連施設5拠点追加、今後のAI向け需要拡大に貢献
✅ ライセンス & CSS(Compute Subsystem)
- CSS契約:3件(スマホ、タブレット、データセンター)
- 累計CSSライセンス:19件(11社)
- Samsungとの連携強化:ExynosチップでAI性能40%向上
✅ モバイル & エッジ
- Google Pixel 10:ArmベースTensor G5採用、Geminiモデルで2.6倍高速・2倍効率的
- Lumex CSS:9月発表後、すでに初期ロイヤリティ発生
- NVIDIA DGX Spark:ArmベースのデスクトップAIシステム出荷開始
- TeslaのAI5チップ:40倍のAI性能、次世代自動運転を可能に
✅ 中国市場
- 売上構成比:22%
- 今期は大型ライセンス契約が牽引、ロイヤリティも成長中
✅ SoftBank / Stargate連携
- 関連当事者売上高:$178M(前四半期比 +$52M)
- Stargate関連の設計サービス・ライセンス収入が増加
- DreamBig Semiconductor買収予定:イーサネット通信IP強化
💬 質疑応答ハイライト
🔍 AIデータセンターの需要とArmのポジション
Q(William Blair):AI関連のデータセンター需要増の中で、Armの戦略的ポジションは?
A(CEO Rene Haas):
- 電力が最大のボトルネックとなっており、**Armの電力効率の優位性(最大50%)**が強み。
- 主要ハイパースケーラーがArmを採用(NVIDIA, AWS, Google, Microsoft, Tesla)
- Neoverseロイヤリティが前年比2倍に成長した背景。
🧠 DreamBig買収の意図
Q(Wells Fargo):DreamBig買収の背景は?
A:
- イーサネットIPとスケールアウト・ネットワーキング技術の獲得が目的。
- データセンター向けポートフォリオ拡充。
🏗️ StargateとSoftBankとの関係
Q(Goldman Sachs):StargateやSoftBank関連の売上急増の背景は?
A:
- StargateはOpenAIとSoftBankによる大規模データセンター構想($500B規模)。
- Armはその設計IPや技術提供により利益を享受。
- 関連売上は**$178M(前期$126M)**。
💸 R&D投資とSoC戦略の進展
Q(Deutsche Bank):チップレットやSoCなど新戦略の具体化時期は?
A:
- 今はまだR&D投資段階、発表できる製品・テープアウトは未定。
- Jason CFO:**「テープアウト+顧客発注+試作品返却」**の3条件が揃い次第、正式発表予定。
🌏 中国市場の伸びとライセンスパイプライン
Q(Morgan Stanley):中国の貢献度とQ4のライセンス見通しは?
A:
- 中国の需要は「過去最高レベル」。
- 大型ライセンス契約が中国から発生。
- Q4に向けてライセンスパイプラインは「かなり強い」。
💡 Lumex CSSのロイヤリティ発生時期
Q(Rothschild & Co):Lumex CSSはすでにロイヤリティが?
A:
- 9月発表から数か月でロイヤリティ発生。
- 初期導入顧客が2世代目のCSS導入企業であったため迅速に実装。
📡 データセンター内でのArmの浸透状況
Q(JPMorgan):データセンター内のArm浸透率とロイヤリティ比率は?
A:
- ArmはDPU、SmartNIC、スイッチ、ルーターなど全階層に浸透。
- インフラ分野のロイヤリティは昨年約10%→今期は15~20%に成長予想。
🤖 トークン生成と推論の今後の需要動向
Q(TD Cowen):推論の拡大とArmの戦略は?
A:
- 現在はトレーニング中心だが、将来的に推論の割合が増加。
- エッジデバイスへの移行が進むと、Armの電力効率が大きな強みに。
- Metaとの提携によりクラウドとエッジでの統一プラットフォーム構築中。

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