アーム(ティッカー:$ARM)の2026年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.35 | $0.35 | 〇 |
| 売上高 | $1.05B (YoY +11.8%) | $1.06B | × |
| ガイダンス 2026Q2EPS | $0.33 ($0.29~$0.37) | $0.42 | × |
| ガイダンス 2026Q2売上高 | $1.06B ($1.01B~$1.11B) | $1.07B | × |
業績ハイライト
主要数値(FY2026 Q1)
| 項目 | 数値 | 前年同期比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10.5億ドル | +25% | 史上2番目に高い四半期売上 |
| ロイヤルティ収入 | 5.85億ドル | +25% | スマートフォン、データセンター、車載、IoT全ての市場で増加 |
| ライセンス収入 | 4.68億ドル | -1% | 前年同期の高水準ライセンス契約の反動減 |
| ACV(年間契約価値) | +28% | 前年比 | CSS新規契約3件、SoftBankとの大規模契約が寄与 |
| RPO(残存契約義務) | 前四半期比横ばい | – | 過去契約分の収益認識と新規契約が相殺 |
| 非GAAP営業費用 | 6.19億ドル | – | R&D投資が中心、予想より若干低水準 |
| 非GAAP営業利益 | 4.12億ドル | – | 非GAAP EPSは $0.35(為替影響▲$0.01含む) |
事業トピック
- Neoverse CPUシェア:ハイパースケーラーにおけるシェアが前年比約18% → 今年は50%近くへ拡大見込み。
- CSS(Compute Subsystem):
- 次世代CSSのライセンス契約を3件締結(既存顧客のアップグレード)。
- CSSのロイヤルティ率はArmv9比で2倍、フラッグシップモバイルの標準的なロイヤルティ率(約5%)のさらに2倍で約10%超に上昇。
- AI需要の牽引:NVIDIA Grace Blackwellが従来のx86システムに比べ25倍のエネルギー効率を実現。
- ソフトウェアエコシステム:Arm上で開発する開発者数は2,200万人超(世界全体の80%以上)。
- 新規製品展開:
- Ethos-U85 NPU(画像認識向け)、
- v9 CPUの行列演算拡張(言語モデル向け)、
- 自動運転向けZena CSSを発表。
ガイダンス(FY2026 Q2)
| 項目 | ガイダンス | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | 10.1~11.1億ドル | 中央値ベースで前年比+25% |
| 非GAAP営業費用 | 約6.55億ドル | R&D投資増、Q1から繰り越し分含む |
| 非GAAP EPS | $0.29~$0.37 | 為替影響は▲$0.01程度 |
経営陣は顧客設計パイプラインや契約済みロイヤルティ率、カスタムシリコン需要の増加を背景に、FY2026通期でも高成長を見込む。
質疑応答ハイライト
Q1. Armがフルエンドソリューション(ASIC)に参入する戦略は?
Q(David O’Connor, BNP Paribas): ArmがASIC市場へ進出する報道があるが、成功の可能性やリスクについて。
A(Rene Haas):
- 現時点で具体的な発表はなし。
- SoC開発の複雑化に伴い、顧客からより高度な統合ソリューションの要望が増加。
- CSSやArm Total Designエコシステムを通じ、将来的にチップレットやフルソリューションへ進出する可能性を検討中。
Q2. ロイヤルティ成長率が予想下限寄りとなった要因は?
Q(Vivek Arya, BofA): ロイヤルティ成長率がガイダンス下限寄り。要因は?今後の成長率見通しは?
A(Jason Child):
- スマートフォン市場の成長が予想より鈍化。
- ただしArm搭載端末は市場平均を大幅に上回る成長。
- 年後半も大きな変化はなく、スマホ市場動向を注視。
Q3. Neoverseのシェア拡大の背景は?
Q(Joseph Quatrochi, Wells Fargo): Neoverseのシェアが50%近くに。昨年との比較は?
A(Rene Haas):
- 昨年は約18% → 今年は50%近くへ。
- 一般用途CPUでのx86からのシェア奪取、さらにAI向けデータセンターでNVIDIA Grace BlackwellがArm採用に移行。
Q4. ACV(年間契約価値)28%増の内訳は?
Q(Andrew Gardiner, Citi): GPU契約やSoftBankとの契約がACV増加に寄与とのこと。規模感は?
A(Jason Child):
- CSS次世代契約3件が大きく寄与。
- SoftBankとのライセンス・設計サービス契約拡大もACVを押し上げ。
- これらを含めて前年同期比+28%。
Q5. SoftBankとの「Stargate」案件でのArmの関与は?
Q(Vijay Rakesh, Mizuho): Stargate向けのArmの関与範囲や収益化モデルは?
A(Rene Haas):
- 10GW規模の巨大データセンター向けで、Arm CPUが中核。
- 具体的な製品や収益モデルは非開示だが、Armにとって大きな設計機会。
Q6. 中国市場の動向は?
Q(Sebastien Naji, William Blair): GPU輸出規制緩和の影響は?
A(Rene Haas):
- 中国市場はグローバル市場と同様の成長傾向。
- 新たな輸出規制緩和による直接的な影響は限定的。
- Q1の売上比率は21%(前四半期15%、前年同期14%)。
Q7. Armv9の採用率は?
Q(Stephane Houri, ODDO BHF): Armv9の現状採用率は?
A(Jason Child):
- 前回発表時点で30%超、次回は年末に更新予定。
- Armv9世代ごとにロイヤルティ率が上昇しており、採用率以上に収益拡大効果がある。
Q8. Ethos-U85とZena CSSの用途と展開時期は?
Q(Lee Simpson, Morgan Stanley): EthosとZenaの具体的用途は?
A(Rene Haas):
- Ethos-U85:超低消費電力AIアクセラレーション、ウェアラブル等バッテリー駆動機器向け。
- Zena CSS:ADASレベル2~4の自動運転向け。既に顧客契約を獲得済み、今後も案件拡大見込み。

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