アーム(ティッカー:$ARM)の2025年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.30 | $0.26 | 〇 |
売上高 | $844M (YoY +4.7%) | $809.77M | 〇 |
ガイダンス 2025Q3EPS | $0.34 ($0.32~$0.36) | $0.34 | 〇 |
ガイダンス 2025Q3売上高 | $945M ($920M~$970M) | $950.10M | × |
ガイダンス 通年EPS | $1.55 ($1.45~$1.65) | $1.56 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $3.95B ($3.8B~$4.1B) | $3.97B | × |
業績ハイライト
第2四半期の業績概要
- 総収益は8億4,400万ドルで、ガイダンス範囲の上限を上回る
- ロイヤリティ収益は5億1,400万ドルで、前年同期比23%増
- ライセンス収益は3億3,000万ドルで、前年同期比15%減(予想25%減を上回る)
- ACVは前年同期比13%増
通期見通し
- 売上高は38億~41億ドル(前年同期比18-27%増)の見通しを維持
- ロイヤリティ収益は10%台後半の成長を見込む
- Non-GAAP営業費用は約20.5億ドル(前年同期比19%増)
- Non-GAAP EPSは1.45-1.65ドルを予想
事業のハイライト
- Version9の採用が進み、ロイヤリティ収益の25%を占める(前年同期は10%)
- スマートフォン向けロイヤリティ収益は40%増(出荷台数は4%増)
- CSSライセンスは前年比で倍増
- NVIDIAのGrace Blackwell出荷開始、MicrosoftのAzure CobaltやGoogle GCPxも一般提供開始
質疑応答ハイライト
Qualcommとの訴訟について
- Qualcommは契約上必要な同意を得ずにNuviaライセンスを締結
- アーキテクチャライセンスのキャンセル通知を送付(ただし実際のキャンセルは未実施)
- 収益予測には訴訟の結果を考慮済み
- 費用面での影響も現時点では想定されていない
ライセンス事業の成長性について
- ATAライセンスは現在収益の50%超を占める
- 顧客ベースの約80%がATAに移行可能と予想
- ATAの年間価格は約7%上昇、契約期間は平均約3年
- 製品提供の拡大により、さらなる成長機会がある
Version9の採用状況について
- スマートフォン、データセンター、自動車向けで採用が進む
- 四半期ごとの採用率は非線形だが、長期的には確実に増加
- Version9世代では、性能向上による価値ベースの価格設定が可能
- CSSの採用により、標準的なVersion9コアの2倍以上の高いロイヤリティ率を実現
ネットワーク・データセンター事業について
- Microsoft AzureとGoogle GCPの一般提供開始により、成長加速を期待
- NVIDIA Grace Blackwellの採用により、AIトレーニング/推論市場での展開も期待
- 汎用コンピューティングでx86比50-60%の電力効率改善を実現
- ネットワーク分野は引き続き低調だが、クラウドコンピューティング市場は堅調
スマートフォン向けCSSの展望について
- MediaTekが初のCSS採用チップを発表
- 開発期間短縮と性能向上の価値提案が評価される
- 年次の製品サイクルと高度な複雑性により、CSSの価値が高まる
- 数年内に市場の50%程度まで採用が拡大する可能性
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