アリスタネットワークス(ティッカー:$ANET)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.99 | $1.74 | 〇 |
売上高 | $1.57B (YoY +16.3%) | $1.55B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $1.635B ($1.62B~$1.65B) | $1.62B | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の好決算
- 売上高は15億7,000万ドルで、前年同期比16.3%増。ガイダンスを上回る
- 非GAAPベースの売上総利益率は64.2%で、ガイダンスの62%を上回る
- 非GAAPベースの1株当たり利益は1.99ドルで、前年比39%増
- クラウド・AIタイタン、エンタープライズ、プロバイダーの全セグメントが力強い成長
2024年度のガイダンスを上方修正
- 2024年度の売上高成長率見通しを12-14%に引き上げ(従来の10-12%から上方修正)
- 全ての顧客セグメントで可視性が向上し、確信度が高まった
- 通期の売上総利益率見通しは62-64%で据え置き
- 新製品投入、顧客獲得、用途拡大のペースが加速する見込み
アドレッサブル市場とAI機会の拡大
- データ駆動型のクライアントからクラウドまでのAIネットワーキングで600億ドル超のTAMを目指す
- AIワークロードではイーサネットが主流に。イーサネットの専門知識を持つアリスタに有利
- 大手顧客が24,000ノードのAIクラスタをアリスタの7800シリーズスイッチで構築
- AIネットワーキングはトライアルからパイロットへ移行中。2025年には10,000~100,000のGPUクラスタの本番稼働を予想
- 2025年の AI関連売上高目標7億5,000万ドルの達成可能性が高まる
技術革新とソフトウェア重視
- EOSネットワークデータレイク(NetDL)がNetwork-as-a-Serviceなどの高度な機能の基盤を提供
- CloudVisionとアリスタ検証済み設計(AVD)によりネットワークの自動化と可観測性を実現
- GPU/DPUだけでなくイーサネットスイッチでもインネットワーク・コンピューティング機能の実装が可能
- 次世代のAI最適化プラットフォーム、シリコン、光学技術への研究開発投資を継続
質疑応答ハイライト
イーサネットのAIワークロード適性とインフィニバンドとの比較
- 大手顧客のベンチマークでは、イーサネットがインフィニバンドよりもジョブ完了時間が約10%短縮
- イーサネットは50年の歴史で他の技術に勝ってきた。ネットワーク効果の力が大きい
- R&Dを重ねることでイーサネットのAI適性は更に高まる見通し
- Ultra Ethernet Consortium(UEC)の新技術で性能改善が期待される
AIネットワーク本格展開に向けた課題と見通し
- AIクラスタ構築に必要な電力、冷却、設備の確保が最大の課題
- GPU調達リードタイムは大幅に改善。2025年には大規模クラスタの本番稼働が可能に
- データセンター設計、GPUのスケールアップ/アウト、ネットワークの性能要件定義などが必要
- クラウドでの経験を活かし、バッファ設計や輻輳制御などの課題に対応できる
CEOのコミットメントと幹部の世代交代
- COO Anshul Sadanaが退任。社内の優秀な人材が新たな役割を担う
- CEOのJayshree Ullalは数年間続投することを取締役会に約束済み
- 創業メンバーAndy BechtolsheimとKen Dudaは引き続き技術開発を主導
- 幹部の平均勤続年数は10年以上。シリコンバレー企業としては稀な安定感
企業向け事業の好調の要因
- ユニバーサル トポロジによるデータセンター、キャンパス、WANの一元管理
- 運用管理の簡素化により大企業の支持を獲得。AIネットワークへの関心も高まる
- ソフトウェアの品質と革新性がさまざまなユースケースでの採用を後押し
- リードタイムの改善により販売体制の強化が再び可能に。投資を拡大へ
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