アマゾン(ティッカー:$AMZN)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.26 | $1.03 | 〇 |
売上高 | $148B (YoY +10.2%) | $148.8B | × |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $156.25B ($154.0B~$158.5B) | $158.3B | × |
業績ハイライト
売上高
- 総売上高は1,480億ドルで、前年同期比11%増(為替の影響を除く)
- 北米セグメントの売上高は900億ドルで、前年同期比9%増
- インターナショナルセグメントの売上高は317億ドルで、前年同期比10%増(為替の影響を除く)
- AWSの売上高は263億ドルで、前年同期比18.8%増(為替の影響を除く)
営業利益
- 総営業利益は147億ドルで、前年同期比91%増
- 北米セグメントの営業利益は51億ドル
- インターナショナルセグメントの営業利益は3億ドル
- AWSの営業利益は93億ドル
設備投資
- 2024年上半期の設備投資(CapEx)は305億ドル
- 2024年下半期の設備投資は上半期よりも高くなる見込み
- 投資の大部分はAWSインフラの成長需要をサポートするためのもの
- 生成AIと非生成AIのワークロードの両方で強い需要が見られる
その他のハイライト
- 過去12ヶ月間のフリーキャッシュフロー(設備ファイナンスリースを調整済み)は514億ドルで、前年同期比664%増
- AWSの年間売上高ランレートは1,050億ドルを超えた
- 広告事業の過去12ヶ月の売上高は500億ドルを超えた
質疑応答ハイライト
AWSにおけるAI投資について
- AWSの運営は18年間の経験に基づく大規模なロジスティクスチャレンジ
- 適切な容量を提供するための洗練されたアルゴリズムモデルを構築している
- AI分野でも同様のアプローチを取っているが、より新しい領域であり、モデルはより流動的
- 現在のAI関連の需要は非常に高く、より多くの容量を望んでいる状況
カスタムシリコンの戦略と投資回収について
- カスタムシリコン戦略はAWS運営の18年間の経験から生まれた
- GravitonやTrainium、Inferentiaなどのカスタムチップを開発
- これらのチップは顧客に大きな価格性能比の向上をもたらしている
- カスタムシリコンは差別化要因となり、良好な投資回収プロファイルが期待される
北米セグメントの利益率について
- 第2四半期の北米セグメント利益率は前四半期比20ベーシスポイント低下
- ストアビジネス部分の利益率は改善を続けている
- 利益率低下の要因は、Kuiperなどの投資分野での支出増加
コストダウンと投資のバランスについて
- ストアビジネスの利益率拡大の機会はまだある
- コストダウンの取り組みは一朝一夕には実現しないが、継続的に進めている
- 米国ネットワークの地域化やインバウンドネットワークの地域化など、さまざまな取り組みを実施中
- コストダウンと新規投資(Kuiperなど)は二者択一ではなく、並行して進めることが可能
AWSの成長加速要因と持続可能性について
- コスト最適化の大部分が完了し、新規イニシアチブへの注力が増加
- オンプレミスからクラウドへの移行トレンドが再開
- 生成AIへの需要が高まっている
- これらの要因は持続可能と考えられるが、成長率の予測は困難
Amazonの医薬品ビジネスについて
- 顧客体験の改善により、ビジネスが急速に成長
- RxPassプログラムをメディケア会員にも拡大
- 8都市で医薬品の当日配達を開始し、年末までに12都市以上に拡大予定
- 成長が続いており、今後の見通しも楽観的
AWSのデータ準備状況とAI対応について
- AIの効果的な活用にはデータの適切な組織化が不可欠
- 多くの企業がクラウドに移行済みで、AIを活用する準備ができている
- まだクラウドに移行していない企業も、AI活用を目的としてクラウド移行を検討している
AWSの営業利益率について
- 第2四半期のAWS営業利益率は30%台半ばで、前年同期の20%台半ばから上昇
- コスト削減と効率化の取り組みが寄与
- サーバーの耐用年数変更により、約200ベーシスポイントの利益率改善効果があった
マクロ経済の影響と第3四半期の見通しについて
- 消費者の慎重な支出傾向、低価格商品へのシフト、セール品の需要などが継続
- 第2四半期は販売数量が好調で、前年同期比でわずかに加速
- 収益成長率の低下は平均販売価格(ASP)の低下が主因
- これらのトレンドは第3四半期も継続すると予想される
コメント