アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(ティッカー:$AMD)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.62 | $0.61 | 〇 |
売上高 | $5.47B (YoY +2.2%) | $5.45B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $5.7B ($5.4B~$6.0B) | $5.69B | 〇 |
業績ハイライト
データセンターセグメントが大幅な成長を記録
- データセンターセグメントの売上高は前年同期比80%増、3ヶ月前比2%増の23億ドルで過去最高を記録
- AMD Instinct MI300xのGPU出荷が急増し、サーバーCPU販売も二桁の伸びを示したことが大幅な成長を牽引
- 2024年のデータセンターGPU売上高見通しを35億ドルから40億ドルに上方修正
クライアントセグメントも好調な実績
- クライアントセグメントの売上高は前年同期比85%増の14億ドル
- 最新世代のRyzenモバイルおよびデスクトッププロセッサに対する需要が好調
全社的な業績は堅調に推移
- 売上高は55億ドルで前年同期比2%増加
- データセンターおよびクライアントセグメントの売上高増加により、粗利率は2.3ポイント拡大して52%に
- 希薄化後EPSは0.62ドルで前年同期比3%増加
2024年の見通し
- データセンター事業の成長加速と、EPYCプロセッサでのシェア獲得を最優先
- 次世代Zen 5のPCおよびサーバープロセッサの投入と、差別化されたソリューションによるアダプティブコンピューティングポートフォリオの拡大
- AIによる大きな成長機会を捉えるために全社的に投資を拡大
質疑応答ハイライト
MI300の需要増加と供給状況について
- 過去90日間で顧客との協業を進め、ハードウェアとソフトウェアの両面で順調に進捗している
- 現在の顧客だけでなく新規顧客からのコミットメントも増えており、需要は非常に堅調
- MI300の立ち上げは非常に複雑だが、サプライチェーンは順調で、パートナーからの支援も得ている
- 現時点では供給が需要に追いついていないが、年内は毎四半期ごとに供給量を増やしていく計画
MI300以降のデータセンターGPUロードマップについて
- MI300の後継製品や次世代製品の開発は順調に進んでいる
- 大手のAI企業と緊密に連携し、ロードマップへのフィードバックを得ている
- チップレットアーキテクチャによって柔軟性が高く、必要に応じてロードマップを変更できる
- 今後数ヶ月のうちにロードマップの詳細を発表する予定
サーバーCPU事業の動向について
- 市場環境は不透明な部分もあるが、第1四半期は好調だった
- クラウドでは顧客ごとに状況は異なるが、4th Gen EPYCプロセッサの採用が進んでいる
- エンタープライズでは需要の回復の兆しがあり、EPYCプロセッサの価値提案が浸透している
- 第2四半期はサーバー事業の売上が伸びる見込み
- 下半期にはZen 5コアを搭載したTurinの投入により、さらにシェアを拡大できると考えている
PCクライアント事業の見通しについて
- 2024年はエンタープライズのリフレッシュサイクルとAI PCの普及により、市場は成長軌道に戻ると予想
- AI PCは、PCにとってインターネット以来の最大の変曲点になると考えている
- 今年後半に投入予定の次世代Ryzenモバイルプロセッサ「Strix」への顧客の関心は非常に高い
- Strixはプレミアムノートブックの設計win数が過去世代を上回っており、シェア拡大を見込んでいる
組み込み事業の回復と利益率への影響について
- 第2四半期の組み込み事業の売上は前期比横ばいの見通し
- 下半期は緩やかな回復を見込んでいる
- データセンター事業の好調が粗利率改善の主要因となっており、下半期も継続する見込み
- 組み込み事業が好調に推移すれば、下半期の利益率にプラスの影響がある
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