アンバレラ(ティッカー:$AMBA)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.11 | $0.03 | 〇 |
売上高 | $82.65M (YoY +63.4%) | $79.01M | 〇 |
ガイダンス 2025Q4売上高 | $78.0M ($76.0M~$80.0M) | $69.13M | 〇 |
業績ハイライト
売上実績の詳細分析
- Q3売上高8,270万ドルは、前四半期比30%増、前年同期比63%増と大幅成長を達成
- ビデオプロセッサ事業は過去3年で初めてのプラス成長を記録
- 全売上の70%をAI製品が占め、過去最高のAI収益を達成
- 地域別では米国が最大市場、次いで欧州、日本・韓国が続き、中国は約15%
財務指標の詳細
- Q3非GAAP粗利益率は62.6%(ガイダンスの下限)
- 営業費用は4,910万ドルで、ガイダンス中央値を900,000ドル下回る
- 受取債権回転日数は38日(前四半期比5日増)
- 在庫回転日数は94日(前四半期比14日減)
製品戦略と展開状況
- CV5プロセッサの価格帯:25-50ドル
- CV2ファミリーのASP:18-19ドル
- CV7ファミリー(CV72/CV75)の価格帯:高10ドル台から30-40ドル
- 2nmプロセス製品の初期テープアウトは来年Q4を予定
通期見通しの詳細
- 2025年度の成長率見通しを上方修正(10%台後半から22-24%へ)
- 2026年度も自動車・IoT両事業での成長を予想
- CV3プラットフォームの収益化は2026年(2027会計年度)から開始予定
質疑応答ハイライト
自動車事業の詳細分析
パイプライン状況
- 6年間の自動車向けパイプライン総額:22億ドル
- 確定案件(Won):8億ドル超
- パイプライン案件:13億ドル超
- 6年超の長期案件:約20億ドル(パイプライン計算外)
地域別・製品別の状況
- パイプライン内の中国案件は約15%
- 欧米での案件キャンセル・延期が相対的に多い
- 確定案件におけるCV3の比率は50%未満
- パイプライン案件でのCV3比率は50%超
IoT事業の展開状況
主要顧客の動向
- Verkada:CV72搭載の次世代カメラを発表(4Kドーム、魚眼、PTZカメラ)
- Bosch:CV22搭載のFLEXIDOME 8100iドームカメラファミリーを発表
- Alarm.com:CV22搭載の5MP/8MPクラウドIPカメラを発表
- i-PRO:CV22搭載の19モデルのAeroPTZカメラを発表
Gen AI戦略の詳細
- エッジでの3Bパラメータモデル実行を5W消費電力で実現
- クリップ型ニューラルネットワークの実装を2025年から開始予定
- 2nmプロセスでGen AI向け専用アーキテクチャを開発中
収益性向上への取り組み
- 短期的な粗利益率変動は製品ミックスが主要因
- 長期的な目標として非GAAP営業利益率30%を設定
- CV3量産開始時の価格競争激化に備えたコスト管理強化
- サプライチェーン最適化による原価低減の継続
市場環境と競合状況
- グローバル自動車市場では、NVIDIA、Qualcomm、Mobileye、Ambarellaが主要プレイヤー
- 中国市場ではHorizon Roboticsも加わり5社体制
- レベル2+市場の本格的な立ち上がりは遅れているものの、長期的な成長機会は維持
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