アドビ(ティッカー:$ADBE)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $4.65 | $4.54 | 〇 |
売上高 | $5.41B (YoY +10.6%) | $5.37B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $4.655 ($4.63~$4.68) | $4.67 | × |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $5.525B ($5.50B~$5.55B) | $5.60B | × |
業績ハイライト
財務実績
- Q3の売上高は54.1億ドルで、前年同期比11%増
- GAAPベースのEPSは3.76ドル、非GAAPベースのEPSは4.65ドル(それぞれ前年同期比23%増、14%増)
- デジタルメディア部門の売上高は40億ドルで、12%増
- デジタルエクスペリエンス部門の売上高は13.5億ドルで、10%増
事業ハイライト
- デジタルメディアARRは5.04億ドルの純増を達成
- ドキュメントクラウドの収益は8.07億ドルで、18%増
- クリエイティブクラウドの収益は31.9億ドルで、11%増
- Fireflyを活用した生成AIの利用が120億回を突破
戦略的取り組み
- AIアシスタントをAcrobatに統合し、PDFの価値向上を実現
- GenStudioソリューションを通じてコンテンツサプライチェーンの課題に対応
- Expressの新機能や教育向けプランの提供開始
- ビデオ編集向けのFireflyモデルを発表
質疑応答ハイライト
デジタルメディアARRの季節性と見通し
- Q3のデジタルメディアARRが予想以上に強かった理由:
- ドキュメントクラウドの継続的な好調
- AIアシスタント搭載SKUの需要増
- クリエイティブクラウドの成長継続
- Q4のガイダンスが季節性から見て低い理由:
- 過去最高のQ4目標を設定
- サイバーマンデーがQ1にずれ込む影響
- 一部の大型案件がQ3に前倒しで成立
AI機能の収益化戦略
- 現在の重点は普及と利用促進
- 生成クレジットの上限は未設定
- 使用量に応じた課金モデルを検討中
- 将来的な収益化オプション:
- 標準プランと高度なAI機能を含むプレミアムプランの提供
- Acrobat AIアシスタントのような個別サービス課金
- 競合との差別化:
- アプリケーションとモデルの統合による独自の価値提供
- 企業向けカスタムモデル作成機能
- 商業利用に適した安全性の確保
ドキュメントクラウドの成長要因
- PDFの普及とAcrobat/Readerの幅広い利用
- リンク共有機能によるユーザー間連携の促進
- AIアシスタントの機能拡張(複数文書対応、多言語対応等)
- Fireflyとの統合によるリッチコンテンツ作成機能の強化
- セキュリティ面での信頼性が企業導入を後押し
Expressの展開状況
- 新プラットフォームによる迅速な機能開発
- Fireflyとの統合によるAIデザイン機能の強化
- 個人、チーム、企業、教育向けなど幅広い提供形態
- マーケティング強化(認知度向上キャンペーン、ソーシャル活用)
- 直販体制の拡充(インサイドセールス、エンタープライズ向け営業)
デジタルエクスペリエンス事業の動向
- パーソナライゼーションニーズの高まりが追い風
- コンテンツ、データ、顧客体験を統合したプラットフォームの強み
- 企業の投資精査が進む中、成長と効率化の両面で評価
- サブスクリプション収益の継続的な成長に注力
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