エアビーアンドビー(ティッカー:$ABNB)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $2.21 | $2.32 | × |
| 売上高 | $4.09B (YoY +9.7%) | $4.08B | 〇 |
| ガイダンス 2025Q4売上高 | $2.69B ($2.66B~$2.72B) | $2.67B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益・指標サマリー
| 指標 | Q3 2025実績 | 前年同期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 売上高(Revenue) | $4.1B | +10% | ガイダンス上限に到達 |
| 純利益(Net Income) | $1.4B | +4% | 一時的な税金評価準備金($213M)を含む |
| EPS(1株当たり利益) | $2.21 | +4% | 同上 |
| 調整後EBITDA | $2.1B | 記録更新 | EBITDAマージン50% |
| GBV(総予約額) | $22.9B | +14% | ADRの上昇と米国市場の好調が要因 |
| 宿泊数・体験数(Nights and Experiences Booked) | 非開示(成長率9%) | +9% | Q2比+2ptの加速、特に米国市場が牽引 |
| フリーキャッシュフロー | $1.3B(四半期) / $4.5B(TTM) | – | FCFマージン38% |
| 自社株買い | $857M(四半期) / $3.5B(TTM) | – | 発行済株式数8%削減 |
地域別成長率
| 地域 | 成長率(宿泊数ベース) |
|---|---|
| ラテンアメリカ | +20%以上 |
| アジア太平洋 | +10〜15%(中程度) |
| 北米/EMEA | +5%(中程度) |
成長ドライバー別ハイライト
✅ プロダクト改善(65項目以上)
- 予約時の柔軟性向上:米国で「Reserve Now Pay Later(今すぐ予約、後で支払い)」導入 → 70%が利用
- 地図機能の強化:ランドマーク、公共交通機関、レストランなどをマップ上に表示 → 離脱防止
- キャンセルポリシーの改善:ゲスト都合の変更を柔軟に、CS件数の減少・予約数の増加に寄与
✅ 国際展開の加速
- 拡大市場での宿泊数成長率は既存市場の2倍
- 日本:初回予約者数 +20%、インド:+50%
✅ サービス・体験(Experiences)の展開
- 5月に新たに本格展開開始
- 利用者評価:4.3/5(従来の宿泊は4.8)
- 体験予約者の約50%が宿泊未利用者 → 新規ユーザー誘致
- ホスト申請件数:11万件超(前四半期比で約2倍)
- ローカル需要も拡大中(例:パリで体験予約の70%が地元ユーザー)
✅ ホテル事業の開始(パイロット段階)
- 対象都市:NYC、LA、マドリード
- 機能改善:部屋タイプ選択、検索フィルタ、表示改善など
- 対象ホテル:ブティック/独立系に特化
- ニーズ:都市部で1泊滞在、規制上Airbnbが使えないケースの補完
- 将来的には「Airbnb=旅行のワンストップショップ」へ
✅ AIの統合と機能強化
- カスタマーサポートにAI導入:米国では人手介入が15%減少
- AI検索:自然言語による検索テスト中、来年全体展開予定
- 将来的にはAIコンシェルジュ化:予約→滞在→レビューまで一貫サポートを視野
業績見通し(ガイダンス)
| 指標 | Q4 2025ガイダンス | 備考 |
|---|---|---|
| 売上 | $2.66B〜$2.72B(+7〜10%) | 為替の追い風あり |
| GBV成長率 | Low-double digits(10〜12%) | ADR上昇 + FX |
| 宿泊数成長率 | Mid-single digits(5%前後) | Q4は季節性による加速あり |
| 通期EBITDAマージン | 約35% | 従来の34.5%から上方修正 |
質疑応答ハイライト
✅ Reserve Now, Pay Laterの影響とキャンセル率
Q(Bernstein・Richard Clarke): 米国の予約増はReserve Now Pay Laterの影響か?キャンセル率への影響は?
A(Ellie Mertz): 対象は米国内・柔軟or中程度キャンセルポリシーのリスティングのみ。利用率は約70%。キャンセル率はやや上昇したが、総予約数に対して純増となる効果を確認済。
✅ 国際展開の期間と戦略
Q(Goldman Sachs・Eric Sheridan): 国際展開の時間軸と規模感は?
A(Ellie Mertz): 市場ごとに異なる。ブラジルでは数年で大きなシェア獲得。日本は1年前からローカルマーケティング開始し、**初回予約者+20%**と進展中。戦略的に市場選定し、ローカライズ重視。
✅ サービス・体験の将来性
Q(BofA・Justin Post): サービス・体験の将来的な貢献度は?リテンション改善に効果あり?
A(Brian Chesky):
- 予約の約半数は宿泊と無関係
- 10%はAirbnb初利用者
- 将来は宿泊とのクロスセル期待
- ローカル利用も成長中(パリでは体験予約の70%が地元民)
- 3〜5年で事業としての本格拡大を想定
✅ ホテル展開の意図と将来性
Q(Oppenheimer・Jed Kelly/Mizuho・Lloyd Walmsley): ホテル展開の狙いは?本格化するのか?
A(Brian Chesky):
- NYCなど供給制約都市での需要補完
- 独立系・ブティックホテルが中心
- カニバリゼーションは限定的:短期滞在や都市部ニーズに対応
- 既存の訪問者に新たな選択肢を提供する形
- 長期的には旅行のワンストップ化に必要な柱
✅ AI検索・AI戦略について
Q(Citi・Ron Josey/Wells Fargo・Ken Gawrelski など)
A(Brian Chesky):
- AI検索:
- Phase 1:自然言語検索入力のテスト中
- Phase 2:会話型検索(マルチターンAI)の導入予定
- 将来的にはAIコンシェルジュ化:予約→滞在→レビューまで統合
- AIカスタマーサポート:CS人員依存15%減少(米国)
- 強み:
- 非SKU型商品 → AIによるパーソナライズが効く
- 2億超の本人確認済アカウント
- 独自のメッセージング&決済基盤
✅ 成長戦略と成熟性への疑問
Q(Deutsche Bank・Lee Horowitz): コア宿泊ビジネスは成熟しているのか?
A(Brian Chesky):
- 全く成熟していない
- いまだにホテル市場が9倍の規模
- 新しい世代(Gen Z〜Alpha)はAirbnbを好む傾向
- 品質・価格・供給の課題を一つ一つ解消中 → コアの再加速は可能
✅ その他:ロイヤリティ、広告、GPT統合について
Q(JP Morgan・Doug Anmuth/Baird・Colin Sebastian)
- ロイヤルティプログラム:
- 未導入だが開発中、「単なるポイント制ではなく、Airbnbにふさわしい形を検討」
- 広告モデル:
- AI検索導入後に設計を本格化予定
- ChatGPT未統合の理由:
- Airbnbの独自性や体験を損なわない統合方法を模索中

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