エアビーアンドビー(ティッカー:$ABNB)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.24 | $0.24 | 〇 |
売上高 | $2.27B (YoY +6.1%) | $2.26B | 〇 |
ガイダンス 2025Q1売上高 | $3.02B ($2.99B~$3.05B) | $3.03B | 〇 |
業績ハイライト
売上・予約実績・成長率
指標 | 数値 | 前年同期比 | コメント |
---|---|---|---|
売上高 | 23億ドル | +6% | 為替およびカレンダー要因を除くと+11% |
調整後EBITDA | 4.17億ドル | – | EBITDAマージン:18% |
営業キャッシュフロー(フリーCF) | 18億ドル | – | 過去12ヶ月累計:44億ドル、FCFマージン:39% |
宿泊および体験予約件数 | 1億4,300万件 | +8% | 地域別成長:ラテンアメリカ+20%、アジア+10~15% |
地域別成長率
地域 | 成長率 |
---|---|
ラテンアメリカ | +20%台前半 |
アジア太平洋 | +10%台中盤 |
欧州 | +5%前後 |
北米 | +1%前後(最も低成長) |
自社株買い・バランスシート
項目 | 数値 |
---|---|
フリーキャッシュフロー | 18億ドル(Q1単体) |
現金および投資残高(企業) | 115億ドル |
顧客預り金残高 | 92億ドル |
自社株買い額 | 8.07億ドル(Q1単体) |
自社株買い残枠 | 25億ドル |
2025年第2四半期ガイダンス
指標 | ガイダンス | 前年同期比成長 |
---|---|---|
売上高 | 29.9億~30.5億ドル | +9〜11% |
EBITDAマージン | やや減少〜横ばい | – |
宿泊および体験予約成長率 | Q1より鈍化見込み | – |
2025年通期見通し
- 調整後EBITDAマージン:少なくとも34.5%(2月と同様)
- 新規事業への投資:2億〜2.5億ドル(主に下期に集中)
質疑応答ハイライト
Q1:米国向け旅行の鈍化と国際旅行のトレンド
質問(BofA): 米国向け旅行コリドーの減少が、全体の予約や市場シェアにどう影響しているか?
回答:
- 米国へのインバウンド旅行は減少中(特にカナダから)
- ただしこのセグメントは全体の2〜3%と限定的
- カナダ人は代わりにメキシコや日本など他国へ旅行
- Airbnb全体では柔軟な供給モデルで影響を緩和
- 米国内シェアは維持・拡大しており、シェア喪失は見られない
Q2:米国の消費行動の詳細(短期予約傾向)
質問(Bernstein): 米国で予約が鈍化しているが、具体的にどのような予約行動が見られるか?
回答:
- 高所得層は影響を受けず、安定した成長を維持
- 短期予約(直前予約)は堅調、一方で長期リードタイム(1ヶ月以上)の予約は軟調
- 「待ち」の姿勢で夏休み予約を控える傾向
- 昨年夏も類似のパターンがあり、最終的には予約が戻る見通し
Q3:予約件数の成長再加速の施策
質問(Evercore): ダブルディジットの予約成長に戻すための主な施策は?
回答:
- 信頼性の向上:Guest Favoritesの推進、品質低いリスティング45万件削除
- 価格の透明化・低価格提供:価格表示の改善(トータル価格表示)、週・月単位割引など
- UI改善:より多くの利用者が最適な宿泊先を見つけやすく
- 国際展開加速:成長市場(ブラジル、アジア圏など)はコア市場の2倍で成長中
Q4:ホテルとの競争とHotelTonight戦略
質問(Oppenheimer): ホテルとの競争激化に伴い、ホテルとの連携戦略は?
回答:
- HotelTonight強化:予約者にAirbnbでの10%クレジット提供
- アプリ内でのホテル導入を強化予定
- Airbnb供給の補完として都市部などでのホテル活用拡大へ
Q5:価格柔軟性とADR戦略
質問(Wells Fargo): 消費マインド低下時に、Airbnbの価格柔軟性が活かせるか?
回答:
- Airbnbの多くのホストは補助的収入を目的としており、柔軟に価格調整可能
- 比較ツールや価格最適化ツールの活用率が高く、価格競争力あり
- 価格引き下げ→予約増加の弾力性がデータで確認されており、今後も推進
Q6:アプリ利用者の特徴と貢献度
質問(KeyBanc): アプリ利用者とWeb利用者の違いは?
回答:
- アプリ利用者の方がコンバージョン率が高い
- モバイルWebに比べ、UXが優れており予約完了率が高い
- 予約比率の中でアプリ利用者の比重が年々増加中
Q7:新規事業(5月13日発表)と業績への影響
質問(Citi): 新規事業の影響と、ガイダンスへの含みは?
回答:
- トップラインへの直接貢献はQ2では限定的
- 投資コストは主に下期に集中し、EBITDAマージンを圧迫予定
- 中長期では収益ドライバーになる想定
Q8:サブスクリプション/ロイヤリティプログラムの検討状況
質問(Melius): Airbnbでもロイヤリティプログラム導入の予定は?
回答:
- ポイント還元型には消極的
- **有料会員制(例:Amazon Prime的なモデル)**の検討あり
- 差別化されたサービス提供、利用頻度の増加に期待
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