本記事は、国際エネルギー機関(IEA)の2024年9月の月報概要を要約したものです。
要約
世界の石油需要
📊 2024年上半期
- 需要増加: +80万バレル/日 (前年比)
- 特徴: 2020年以降最低の増加率
🔮 年間平均増加予測
- 2024年: +90万バレル/日
- 2025年: +95万バレル/日
🎯 需要見通し
- 2024年: 約1億300万バレル/日
- 傾向: 2023年(+210万バレル/日)から大幅鈍化
中国の需要動向
📉 最近の傾向
- 4ヶ月連続前年比減少
- 7月: -28万バレル/日
📊 過去との比較
- 直近12ヶ月平均: +100万バレル/日
- 2023年(ポストコビッド期): +150万バレル/日
🔮 2024年予測
- 需要増加: わずか+18万バレル/日
🔍 影響要因
- 経済の広範な減速
- 代替燃料への移行加速
- EVセールス急増→道路燃料需要減
- 高速鉄道網発展→国内航空需要制限
供給状況
🛢️ 2024年8月の世界供給
- 1億350万バレル/日 (+8万バレル/日 前月比)
⚖️ 供給変動要因
- 減少: リビア(政治問題)、ノルウェー・カザフスタン(メンテナンス)
- 増加: ガイアナ、ブラジルなど
🔮 2024年予測
- 非OPEC+: +150万バレル/日
- OPEC+: -81万バレル/日
🔮 2025年予測
- 非OPEC+: +150万バレル/日
- OPEC+: +54万バレル/日
精製活動
🏭 世界の精製処理量予測
- 2024年: 8,300万バレル/日 (+44万バレル/日 前年比)
- 2025年: 8,370万バレル/日 (+63万バレル/日)
🔍 影響要因
- 中国の予想外に弱い精製活動(7月)
- 利益率の全般的悪化
💹 地域別クラッキングマージン
- 欧州・シンガポール: 一時的にマイナス
- 米国湾岸: 比較的堅調 (ただし前年比 -66%)
在庫状況
📦 2024年7月の世界の観測可能な石油在庫
- 全体: -4,710万バレル
- 内訳:
• 原油、NGL、原料油: -7,550万バレル
• 石油製品: 2021年1月以来の最高水準
🏢 OECD諸国の産業在庫(7月)
- -1,230万バレル (季節外れの減少)
- 5年平均を7,850万バレル下回る
📅 8月: 予備データでも在庫減少が継続
原油価格動向
💰 ブレント原油先物価格
- 8月~9月初旬: 約-10ドル/バレル
- 9月11日時点: 約70ドル/バレル (2021年後半以来の安値)
- 2024年4月高値から: -20ドル/バレル
📉 価格下落要因
- 中国の需要低迷
- 経済的逆風
- 供給過剰懸念
- 投資家の売り圧力
今後の見通し
🌍 世界の石油需要
- 急激な増加率鈍化 (特に中国の影響大)
- 先進国: パンデミック前比 -200万バレル/日近く
🔍 影響要因
- 構造的な逆風
- 低調な経済成長
🔮 長期予測
- 今後10年間で世界需要が頭打ちの可能性
OPEC+の対応
🔄 最新の動き
- 追加自主減産解除を2ヶ月延期
🎯 目的
- 需要見通し評価
- リビアの供給停止影響の分析
📅 今後の計画
- 2025年末までに220万バレル/日の追加削減を段階的解除
⚠️ 課題
- 非OPEC+の供給増加が全体需要を上回るペース
- リビアの長期的供給停止がない場合、大幅な供給過剰の可能性
原文リンク
Oil Market Report - September 2024 – Analysis - IEA
Oil Market Report - September 2024 - Analysis and key findings. A report by the International Energy Agency.
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