ボーイング(ティッカー:$BA)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$2.90 | -$2.01 | × |
売上高 | $16.87B (YoY -14.6%) | $17.35B | × |
業績ハイライト
財務結果
- 収益は169億ドル、主に商業機の納入量減少を反映
- 1株当たり損失は2.90ドル、商業機納入量減少と防衛部門の固定価格開発プログラムの10億ドルの損失を反映
- フリーキャッシュフローは43億ドルのマイナス
商業機部門
- 第2四半期に92機を納入
- 収益は60億ドル、営業利益率はマイナス11.9%
- 受注残高は4,370億ドル、5,400機以上
防衛・宇宙部門
- 収益は60億ドル、前年同期比2%減
- 固定価格開発契約で10億ドルの損失計上
- 営業利益率はマイナス15.2%
グローバルサービス部門
- 収益は49億ドル、前年同期比3%増
- 営業利益率は17.8%、前年同期比わずかに低下
質疑応答ハイライト
在庫管理について
- 737MAXは供給元のSpiritが月産38機、787は月産5-6機で部品供給
- 座席供給の問題や中国向け在庫の滞留で在庫が増加
- 737MAXの納入は4-5月が月10機台、6月に35機、7月も同程度に改善
- 787は第2四半期9機納入、7月は6機納入と改善
- 在庫は生産安定化への投資として捉え、納入改善とともに解消見込み
生産能力とボトルネックについて
- Spiritからの胴体供給がボトルネックだったが、改善傾向
- レントン工場の第3ライン稼働で柔軟性向上、予期せぬ問題にも対応可能に
- 年末までに月産38機達成を見込む
品質管理指標(KPI)について
- 生産ペース低下で全指標が改善
- 特に仕掛品の削減が大きな改善
- クリーンな胴体での生産で、フロータイムが半減
- 仕掛品の管理が最重要KPIとして注視
キャッシュフローと流動性について
- 第3四半期もキャッシュ使用の見込み
- 第4四半期は納入増加とワーキングキャピタル改善で改善見込み
- 現金残高は100億ドルを目安とするが、状況に応じて柔軟に対応
- 投資適格格付維持を最優先し、必要に応じて追加の資金調達も検討
前受金の状況について
- 一部顧客は過剰な前受金を適用、一部は納入実績改善まで支払いを保留
- 前受金残高は10億ドル減少
- 納入の安定化とともに解消の見込み
777Xプログラムについて
- 四半期ごとに約8億ドルの在庫増加が続く
- 就航準備のための投資として捉える
- 就航後1年程度でキャッシュフローはプラスに転じる見込み
- 堅調な受注残を背景に長期的には良好なリターンを期待
労働組合との交渉について
- ストライキは想定していない
- 賃上げ要求は大きいと予想されるが、従業員を適切に処遇する方針
- 交渉の大部分は新CEOのKelly氏とStephanie氏が担当予定
Spirit AeroSystemsの買収について
- 2025年半ばの完了を目指す
- Spiritの業績は良好で、資金繰りに懸念なし
- 買収完了後、長期的な安定性のための投資を躊躇なく実施する方針
新CEOの就任について
- Kelly氏は業界経験豊富な経営者
- 現在の回復モードを理解し、既存のリーダーシップチームを支援する見込み
- 大規模な経営陣の入れ替えは想定されていない
MAX-7とMAX-10の認証スケジュールについて
- 防氷システムのエンジニアリング作業が年内に完了見込み
- その後、認証テストを実施
- 2025年前半の認証取得が現実的な見通し
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