ブロードコム(ティッカー:$AVGO)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.096 | $1.084 | 〇 |
売上高 | $12.49B (YoY +43%) | $12.01B | 〇 |
ガイダンス 2024通年売上高 | $51B | $50.28B | ○ |
業績ハイライト
全体
- 2024年度第2四半期の連結売上高は125億ドル(前年同期比43%増)。VMwareを除く連結売上高は前年同期比12%増
- AIによる売上高は前年同期比280%増の31億ドルに
- インフラストラクチャソフトウェアセグメントの売上高は53億ドル(前年同期比175%増)。うちVMwareの売上高貢献は27億ドル
ソフトウェア事業
- VMwareの統合は順調に進行中。製品SKUを8,000以上から4つのコア製品に簡素化し、チャネルの競合を大幅に排除
- VMware製品のサブスクリプションライセンスモデルへの移行が進んでいる
- 上位10,000社のうち約3,000社が、オンプレミスで自社の仮想プライベートクラウドを構築できるように契約
半導体事業
- ネットワーキングの売上高は38億ドル(前年同期比44%増)。ハイパースケーラー向けのAIネットワーキングとカスタムアクセラレータの需要が引き続き堅調
- ワイヤレスの売上高は16億ドル(前年同期比2%増)
- サーバーストレージ接続の売上高は8.24億ドル(前年同期比27%減)。第2四半期がボトムと考えており、下期にかけて緩やかな回復を見込む
- ブロードバンドの売上高は7.3億ドル(前年同期比39%減)。通信事業者による支出の一時停止が継続
質疑応答ハイライト
Broadcomとエヌビディアの競合について
- AIアクセラレータについては、Broadcomはカスタムソリューションを提供しており、エヌビディアの汎用GPUとは異なるモデルで事業を展開しているため、直接的な競合関係にはない
- ネットワーキングについては、Broadcomはイーサネットに25年以上取り組んできた深い知見を持っており、GPUクラスタの拡張に貢献できると考えている
AIネットワーキングとカスタムアクセラレータの比率について
- 当初はアクセラレータが80%、ネットワーキングが20%だったが、現在は2:1の比率に近づいている
- 年末までには60:40になると予想
VMwareの進捗状況について
- サブスクリプションへの移行は順調に進んでいる。マイクロソフト、セールスフォース、オラクルなどに比べて遅れていたが、魅力的な形で提供することで挽回している
- 仮想化だけでなく、ネットワーク、ストレージ、運用管理を含むスタック全体を魅力的な価格で提供し、オンプレミスで自社のプライベートクラウドを構築できるようにすることに、多くの顧客から関心が寄せられている
VMwareを超えた成長戦略について
- 現時点ではVMware以外にも十分な成長ドライバーがあるため、すぐに別の企業を買収する必要はない
- ただし、長期的なモデルとしては、買収と既存資産の改善・投資・運用の両方を通じて成長することを目指しているため、常に選択肢は開かれている
カスタムAIアクセラレータ事業の収益性について
- カスタムAIアクセラレータには大量のキャッシュメモリ(HBM)が付属しているため、マージンが薄くなる傾向がある
- しかし、売上高が大きいため、R&Dなどの費用の割合が相対的に低くなり、通常の半導体ビジネス以上の営業利益率を達成できている
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